手話通訳がマスクできない理由は?コロナ禍の今だからこそ知っておいてほしいこと
こんにちは~
今回は、手話通訳がマスクをできない理由についてお話ししていきたいと思います。
新型コロナウイルス流行の影響もあり、手話通訳士さんが会見で手話通訳している姿を見かけることが多くなりました。
最近は、手話通訳士の方は、通訳の際にフェイスシールドを使用したり、透明マスクをつけるなどして対応していますが、
コロナが流行りだしたころは、手話通訳の方がマスクをしていないことも多く、
当初は手話通訳士さんがマスクをしていないことが問題になったこともあったんですね。
でも、これにはしっかりとした理由があるんです。
そこで、本記事では、手話通訳士さんがマスクをしない理由について実際に通訳を担当する私の目線から、詳しくお話ししていきたいと思います。
是非参考にしてみてくださいね。
手話通訳がマスクできない理由は?
手話通訳士さんが手話通訳の際に普通のマスクをしない理由は、大きく分けて3つあります。
それがこちら。
・表情が読み取れなくなってしまう
・口の動きが見えなくなってしまう
・口型が見えなくなってしまう
では、これら3つの点について、詳しくお話ししていきますね。
表情が読み取れなくなってしまう
手話という言語は、表情がとても大切です。
健聴の人が声を使って喋る時は、声色や表情からも感情を読み取って会話をしていますが、
手話で会話する場合は、声色という情報がないため、相手の感情を測る手段として、表情がものすごく大切になってきます。
この点については、以前【表情のつけ方が手話を豊かにする!自然な顔になれる練習法は?】という記事でもお話しした通りです。
しかし、マスクをして顔の大部分を覆ってしまうと、大切な表情が読み取りづらくなってしまいますよね。
そうなると、文章が読み取りづらいだけでなく、文章の内容そのものが正しく伝わらない可能性が出てくるんですね。
ただ、「表情が読み取れない」という点よりも、もっと手話通訳に弊害をもたらすのが、この後ご紹介する2つの点になります。
口の動きが見えなくなってしまう
手話で文章を表現する際、口元の動きは関係がないように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実は、手話を使う際、口元の動きはかなり重要な情報となります。
よく、「手話の読み取りが苦手で・・・」という方から相談をいただくのですが、
このような場合は、相手の手元ばかりを見てしまっていて、口の動きを見ていないというケースがほとんどなんです。
手話で文章を表現する場合、手話を表現しながら、表現している単語を口パクで表すのですが、
この時に口元が見えないと、誤った意味で文章が伝わってしまうことがあるんです。
例えば、『難しい』という手話単語は、『~できない』という意味も持っています。
この単語は、口の動きと合わせて読み取らないと、『難しい』という意味なのか『~できない』という意味なのか、パッと理解できないことも多いんです。
手話単語の中には、一つの表現で複数の意味を持つ単語も多く存在するので、こういったケースは結構たくさんあります。
上記のように思い当たる方は、今後、目線の位置を意識していただくと、手話の読み取りがしやすくなると思いますよ♪
口型が見えなくなってしまう
3つめは、「口型」という、手話ならではの表現に関わる部分です。
「口型」は、口の形のみで手話や文章に意味を持たせる表現のことです。
例えば、「ポ」という口の形と、縦向きにした指文字の『や』で、『なぜ?』という意味を表したり、
「プ」という口の形と、『不要』という手話で『いらない(必要ない)』といった意味を表したりしますね。
ただ、ここまでご覧いただいた方の中には、ぶっちゃけ、ちょっと何を言ってるのかわからない、という方もいらっしゃると思います。
実は「口型」は、日本手話特有の文法でして、健聴の方が最初に勉強することの多い日本語対応手話にはない表現なんです。
以前、【日本手話と日本語対応手話の違いは?】という記事でもお話ししましたが、
日本手話と日本語対応手話は、もはや言語として別のものといっていいほど異なる部分が多いので、
これから手話を勉強しようとしている方や、手話を勉強し始めたばかりの方は、まだ気にしなくて大丈夫です。
手話を勉強して、実際に手話を使って会話をする中で、徐々に身につけていく方がいいと思いますよ!
少し話がそれてしまいましたが、この「口型」についても、マスクをしてしまうと相手から見えなくなってしまうので、マスクは適さないということですね。
おまけトーク
さて、ここからはちょっと余談になります
この記事をお読みの方の中には、
↑などなど、
手話そのものに興味をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
確かに手話の勉強って、何から手をつけるべきかで悩む方は多いですし、
何なら悩みすぎて結局そのままフェードアウトしてしまう方もかなりいらっしゃいます。
ただ、東進ハイスクールのカリスマ英語講師である安河内先生もこうおっしゃってました。
『英語なんて"言葉"なんだ!こんなものやれば誰だってできるようになる!』
↑これ、おんなじことが手話でも言えるんです♪
手話だって言語ですからね!
当然私も、最初はゼロの状態から勉強を始めて、
今では手話通訳を100回以上担当できるまでになりましたし、
やり方次第では、1、2か月で日常会話レベルの手話を習得するのも無理な話ではありません。
(↑これにはちょっと裏ワザ的な勉強法が必要になりますけどねw)
繰り返しになりますが、手話だって"言語"です
どんなやり方だろうと、根気よく続ければいずれはできるようになるので、
あとは、「あなたがどのくらいのスピードで手話を習得したいのか」だけなんですよ!
努力をした先に、必ずゴールがあって、
その道中の工夫次第でいくらでもゴールを早められるんです♪
手話に興味を持ったこのタイミングを、ぜひモノにしていただければと思います
まとめ
今回は、手話通訳士さんが普通のマスクをできない理由についてお話ししました。
【合わせて読みたい!】
手話通訳の収入は…?そもそも手話って難しいの?気になる疑問を解決!
・ぶっちゃけ、手話通訳って儲かるの?
・そもそも、手話って難しいの?
・手話って世界共通なのかな? …などなど
ご参考になれば幸いです。
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